感染症・食中毒の予防・まん延防止に関する指針

感染症・食中毒の予防・まん延防止の基本姿勢

介護老人福祉施設は、感染症等に対する抵抗力が弱い高齢者が利用や生活する場であり、こうした高齢者の多数が活動や生活する環境は、感染が広がりやすい状況にある事を常に認識する必要があります。

このような前提にたって当法人が設置する施設において、感染症及び食中毒を予防する体制を整備し、平素から対策を実施すると同時に、常日頃からの感染予防に心掛け、感染症が発生した場合には、敏速かつ適切な対応に努めます。
そこで、それぞれの施設における感染症・食中毒の発生、まん延防止に取り組むにあたっての基本的な考えを理解し、施設全体でこの事に取り組むこととします。

感染症・食中毒の予防・まん延防止の基本的指針

1. 感染症・食中毒の予防及びまん延防止の体制

感染症・食中毒の予防及びまん延防止のために、委員会を設置するなど施設全体で取り組みます。

2. 平常時の対応 (標準予防策)

(1) 施設内の衛生管理
当施設では、感染症及び食中毒の予防及びまん延防止のため、施設内の衛生保持に努めます。また、手洗い場、厨房、食堂、トイレ、汚物処理室などの整備と充実に努めるとともに、日頃から整理整頓に心がけ、換気、清掃、消毒を定期的に実施し、施設内の衛生管理、清潔の保持に努めます。

(2) 介護・看護ケアと感染症対策
介護・看護の場面では、職員の手洗い、うがいを徹底し、必要に応じてマスク等を着用します。また、血液・体液・排泄物等を扱う場面では、細心の注意を払うと共に、適切な方法で対処します。また、入所者・利用者の異常の兆候をできるだけ早く発見するために、利用者の健康状態を常に注意深く観察することに留意します。

(3) 外来者への衛生管理の周知徹底を図り、まん延防止を図ります。

3. 発生時の対応 (まん延防止対策)

万一、感染症及び食中毒が発生した場合は、「厚生労働大臣が定める感染症または食中毒が疑われる際の対処の手順 (厚生労働省告示第268号) 」に従い、感染の拡大を防ぐため、下記の対応を図ります。

(1)「発生状況の把握」
(2)「まん延防止のための措置」
(3)「有症者への対応」
(4)「関係機関との連携」
(5)「行政機関への報告」

施設長は、次のような場合には、敏速に市町村等の主管部局に報告するとともに、所轄の保健所への報告を行い、発生時の対応などの指示を仰ぎます。※報告書式は、都道府県・市町村の指定様式とします。

<報告が必要な場合>

ア.同一の感染症もしくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が一週間内に2名発生した場合
イ.同一の有症者等が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合
ウ.ア及びイに掲げる場合のほか、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合

<報告する内容>

ア.感染症又は食中毒が疑われる利用者の人数
イ.感染症又は食中毒が疑われる症状
ウ.上記の利用者への対応や施設における対応状況等

※なお、嘱託医師が、感染症法、結核予防法又は食品衛生法の届出基準に該当する利用者又はその疑いのある者を診断した場合には、これらの法律に基づき保健所等への届出を行うこととします。

感染症・食中毒まん延防止に関する体制

感染症対策委員会の設置

(1) 設置目的

感染症及び食中毒のまん延防止のための対策を検討するための方策を検討するため、カリヨンの郷委員会設置規程に基づき、感染症対策委員会を設置します。

(2) 感染症対策委員会の職種ごとの構成員

ア.施設長
イ.生活相談員
ウ.介護職員
エ.看護職員
オ.調理係 (委託業者)

(3) 感染症対策委員会の開催

委員会は、定期的に1ヶ月に1回開催します。
その他、必要な場合はその都度開催します。
なお、感染症対策担当者は看護師が受け持つものとします。

(4) 感染症対策委員会の主な役割

ア.感染症の予防対策及び発生時の対応
イ.各マニュアル等の作成
※ 各感染症の予防及び各感染症対応マニュアル、食中毒予防マニュアル等
ウ.発生時における施設内連絡体制及び行政機関、各関係機関への連絡体制の整備
エ.利用者・入所者及び職員の健康状態の把握と対応策
オ.新規利用者の感染症の既往確認等
カ.委託業者 (清掃・調理等) への感染症及び食中毒まん延防止のための指針の周知徹底
キ.感染症、衛生管理に関する基礎知識に基づいた研修の実施 (年2回以上)
ク.各部署での感染対策実施状況の把握と評価

(5) 職員の健康管理

ア.直接介護に携わる職員は年2回、他職員は年1回の健康診断を実施する。インフルエンザの予防接種について、接種の意義、有効性、副作用の可能性等を職員へ十分に説明の上、同意を得て予防接種を行う。 イ.職員が感染症を罹患している場合は、感染経路の遮断のため、完治までの間、出勤停止等の適切な処置を講じる。

感染症・食中毒の予防、まん延防止における各職種の役割

施設内において、感染症・食中毒の予防、まん延の防止のためにチ-ムケアを行う上で、各職種がその専門性に基づいて適切な役割を果たします。

<施設長>

(1) 感染症・食中毒の予防、まん延防止体制の総括責任者
(2) 感染症発症時の行政報告

<介護職員>

(1) 各マニュアルに沿ったケアの確立
(2) 生活相談員、看護職員、栄養士、調理員との連携
(3) 利用者の状態把握
(4) 衛生管理の徹底
(5) 経過記録の整備

<生活相談員>

(1) 嘱託医師、看護職員と連携を図り、予防、まん延防止対策の強化
(2) 緊急時連絡体制の整備 (行政機関、施設、家族)
(3) 発生時及びまん延防止の対応と指示
(4) 経過記録の整備
(5) 家族への対応 (連絡等)
(6) 各職種別教育

<看護職員>

(1) 嘱託医師、協力病院との連携の強化
(2) ケアの基本手順の教育及び周知徹底
(3) 衛生管理、安全管理の指導
(4) 外来者への指導
(5) 予防対策への啓発活動
(6) 早期発見、早期予防の取り組み
(7) 経過記録の整備
(8) 職員への教育

●感染症対策委員会の職種ごとの構成員

ア.施設長
イ.生活相談員
ウ.介護職員
エ.看護職員
オ.調理係 (委託業者)

●感染症対策委員会の開催

委員会は、定期的に1ヶ月に1回開催します。
その他、必要な場合はその都度開催します。
なお、感染症対策担当者は看護師が受け持つものとします。

●感染症対策委員会の主な役割

ア.感染症の予防対策及び発生時の対応
イ.各マニュアル等の作成
※ 各感染症の予防及び各感染症対応マニュアル、食中毒予防マニュアル等
ウ.発生時における施設内連絡体制及び行政機関、各関係機関への連絡体制の整備
エ.利用者・入所者及び職員の健康状態の把握と対応策
オ.新規利用者の感染症の既往確認
カ.委託業者 (清掃・調理等) への感染症及び食中毒まん延防止のための指針の周知徹底
キ.感染症、衛生管理に関する基礎知識に基づいた研修の実施 (年2回以上)
ク.各部署での感染対策実施状況の把握と評価

●職員の健康管理

ア.直接介護に携わる職員は年2回、他職員は年1回の健康診断を実施する。インフルエンザの予防接種について、接種の意義、有効性、副作用の可能性等を職員へ十分に説明の上、同意を得て予防接種を行う。
イ.職員が感染症を罹患している場合は、感染経路の遮断のため、完治までの間、出勤停止等の適切な処置を講じる。

感染症・食中毒まん延防止に関する職員教育

介護に携わる全ての従業員に対して、感染症対策の基礎知識の周知徹底を図ると共に、指針に基づいた衛生管理と衛生的なケアの励行を図り、職員教育を行います。

(1) 定期的な教育・研修 (年2回以上の実施)
(2) 新任者に対する感染症対策研修の実施
(3) その他必要な教育・研修の実施